急性期看護の特徴とそこで働く看護師の課題点とは?

私は看護師を目指すようになってからずっと、急性期で働く看護師に憧れていました。テレビの中で先進医療機器に囲まれてテキパキと働く看護師の姿を見ては、かっこいいなと思っていたのです。

そして実際に急性期病院に入職し、理想の看護師に少しでも近づきたいと思いながら日々努力していました。テレビで見た理想とはほど遠いものの、急性期看護のやりがいや楽しさを感じられるようになりました。

しかし、それと同時に急性を退院していく患者の不安に対応できない不甲斐なさも感じるようになったのです。

今回は、私が実際に急性期で働いてみて感じたことをお伝えしたいと思います。

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急性期看護の特徴

急性期看護の特徴

急性期・慢性期・回復期などの病期に関わらず、入院した時点からすでに退院に向けた支援が始まります。特に急性期は疾患によってクリティカルパスが用意されており、ほとんどの患者が予定された計画に沿って入院期間を過ごして退院していきます。

そこに加えて、入院したばかりで辛い症状があるときには、そこに寄り添いながら少しでも痛みが減るように、少しでも不安が減るように、看護師としてできる関わりをしていきます。

患者の1番辛い時期を看る

私が急性期看護でやりがいを感じたことは、患者が1番辛いときを見ているからこそ、笑顔になって退院していく患者や外来に来たときにわざわざ病棟に元気になった姿を見せに来てくれる患者に日々出会えたことです。

その患者の笑顔が仕事の楽しさにつながり、もっと頑張ろうという気持ちにさせてくれました。

症状が落ち着いた患者は退院させなければならない

急性期病院に入院している間に自宅に帰れるまで回復し退院する方もいれば、まだ症状が残っており施設や慢性期病院、回復期病院への転院が必要な患者もいました。

そのような患者を見ていると、急性期といえる時期は乗り越えたものの、患者が元気になって笑顔で退院していくまで一貫して関わることができないことへの申し訳ない気持ちや不甲斐なさを感じることもありました。

中には「こんな状態で退院させるのか!」と声を荒げる患者や家族もいました。

それでも、急性期病院には救急医療が必要な患者が次から次へと入院してくるため、症状が落ち着いた患者を長い間入院させておくわけにはいかないという病院側の事情もあり、理解していただかなくてはならないこともたくさんありました。

急性期看護は思ったより重労働ではない

急性期は比較的症状が治れば自立して動けるという患者が多く、介助量の多いのは入院初期や術後がほとんどでした。後遺症などで回復に時間がかかる患者は確かに介助量も多くなりますが、すぐ退院してしまうのです。

そのため、仕事内容としてはオペ出しや処置などで1日中バタバタとしていますが、清潔ケアや排泄ケアなどの重労働は少ない方でした。

回復期・慢性期病院は介助が少ない

回復期や慢性期の病院は、急性期の治療を終えた方が転院してきます。そのため、介助量が多い患者も少なくありません。

しかし、回復期や慢性期には看護師と一緒に介護職が勤務しており、医療処置は看護師、身体介助は介護職というようにそれぞれの役割を分けている場所が多くなっています。

病院を選ぶときには、看護師に対して、または患者に対して介護職がどれだけ勤務しているのかも合わせてみておくと、実際に看護師にかかる介助量を想像することができます。

急性期で働く看護師から見た急性期の問題点

急性期で働く看護師から見た急性期の問題点

入院する時点で急性期治療が終わっても、病院や施設での療養、リハビリが必要になることが予測できる場合は、患者の症状の回復を見ながら転院の準備を進めていきます。

自宅に帰れる患者であれば、退院の準備が整い次第自宅に退院することになります。しかし、自宅に帰れる状態だと判断された患者の中には、退院して自宅に帰っても今までのように生活できないという不安を抱いている患者もいます。

患者が退院に対して不安を抱えていたことに対し、急性期の笑顔で帰って行く患者にやりがいを感じていた私は、急性期でなければもう少し不安を解消してから退院するように関われたのではないかと思うようになりました。

退院後の生活に不安を抱える患者が多い

私が受け持った患者に、軽度の脳梗塞の方がいました。早期に治療を行ったため、後遺症もなく2週間ほどで退院が決まりました。しかし、その方は建築関係の仕事をする独身の方で、2週間の入院でずいぶん体力が低下してしまい、退院後の生活に対して大きな不安がありました。

すぐに仕事に復帰できるわけでもなく、1人で家のこともしなければならない、それに今度は1人で自宅にいるときに脳梗塞を起こして倒れてしまったら助からないかもしれないといろいろなことを考えて、考えれば考えるほど不安が大きくなっていました。

それでも、すでに必要な治療は終えており、転院してリハビリを行うような後遺症もないことから医師は自宅退院と指示を出していたのです。

私たち看護師は、親戚や兄弟にしばらくの間お世話になれないのか、生活費を補う方法はないのか、退院までにできることはないのかと、カンファレンスや主治医に入院期間を伸ばせないか相談をしてみました。

しかし、結果は変わらず退院の日になり患者はたくさんの不安を抱えたまま退院していきました。このとき、確かにその患者は自宅退院できる状態だったかもしれません。退院してみたら、思っていたよりも動けたかもしれません。

ですが、このように不安を抱いたまま退院していく患者の姿に心を痛めました

急性期で働く看護師の今後の課題点

急性期で働く看護師の今後の課題点

看護師になったら救急や急性期の病棟でバリバリ働きたいと思っていました。しかし、実際に急性期で働いてみてわかったのは、自分がここでしている看護は急性期という期間だけであって、その後には急性期よりも長く回復していくための過程があるのだということです。

急性期では患者の病状は極端に変わります。数日前まで意識がなかった患者と笑いながら話せること、そのために看護師として関われることは本当にすごいことだと思います。

でも、患者にとって本当に大変なのは急性期を乗り越えた後なのではないか、と以下の理由から感じるようになったのです。

  • 患者は退院できる状態でも入院前とは体力が変わっているかもしれない
  • 患者は入院前とは生活環境が変わっているかもしれない
  • 患者は後遺症などで今まで通りには生活できないかもしれない

せっかく症状が治まって退院できるのに、患者はたくさんの不安を抱えています。

長期的な看護を一緒に考えなければならない

「不安を抱えていることを知りながら患者を退院させるのは仕方のないことなのだろうか」と考えるうちに、急性期を乗り越えて回復過程にある患者、治療を尽くした結果回復が難しい患者など、長期的に多方面からのケアが必要ではないか、と感じました。

急性期看護ではなかなか介入が難しいですが、患者がよりよい生活をするためにどんな方法があるのかを一緒に考えていかなければなりません。

そのためには、医療技術だけでなく在宅環境に関する知識、補装具や介護用品などの知識も必要になります。疾患の治療だけでなく、患者らしい生き方を支援することが看護師にとって必要なのではないでしょうか。

他職種と関わり知識を得る

もし、介護職・社会福祉士・ソーシャルワーカー・リハビリスタッフなど他職種に関わることがあれば、積極的に在宅治療に関する知識・補装具・介護用品などの知識を教えてもらいましょう。

専門職の方から学ぶことはとてもタメになりますので、積極的に関わりをもつことがお勧めです。

最後に

急性期看護ではたくさんの医療や技術の知識が必要です。でも、患者を主体に考えたとき、急性期看護師は医療や技術の他に学ばなければならないことがあると感じました。

急性期の病院は、そこでの治療を終えた患者が次に行く先である回復期や慢性期、終末期の病院があるからこそ成り立っています。

もし、回復期・慢性期・終末期の病院がなかったら、患者は自宅に帰って十分な生活ができず最悪の場合生きることさえままならない状態になってもおかしくないからです。

医療技術が進歩したことで昔のように長期入院の必要はなくなりましたが、その分患者が退院に感じる不安は大きくなったのだと思います。私は今、そんな患者の不安が安心に変えられる看護ができたらいいなと思っています。

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