看護師が転職後のギャップに耐えられない場合の対処法

   

希望を胸に転職したはずが、「こんなはずじゃなかった」「こんなこと聞いていない」といったギャップに遭遇し、耐えられないと感じることもあるでしょう。

しかし、すぐに退職してしまっては、あなたの経歴や評価に傷がつくことにもなりかねません

ここでは、看護師が転職後に遭遇する7つのギャップと、その対策について、私の経験を交えながらご紹介していきます。

人間関係にヒエラルキーがあるギャップ

人間関係にヒエラルキーがあるギャップ

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看護師の人間関係が良いと聞いて転職してみたら、お局さんをトップとしたヒエラルキー(階層組織)が存在し、ギャップに耐えられないと感じることもあるでしょう。

そんな時の対処法は、仕事を淡々とこなしつつ、人間関係に口を挟まないことです。

仕事場での人間関係も大切な要素ですが、看護師の場合にはケアを提供する相手は患者であり、多くの時間は処置やケアをすることに費やすことになります。

つまり、同僚の看護師と一緒に過ごす時間は意外に少ないのです。

 

対処法:ヒエラルキーに属さないスタッフを見習う

ヒエラルキーが存在しやすいのは、クリニックや異動が少ない外来・病棟などの場合ですが、その中でも不思議と、ヒエラルキーに属していないのに仕事をコツコツと続けるスタッフは存在します。

その人がどのように他の同僚に対応しているのか観察しながら、患者と過ごす時間を多くして上手に自分の居場所を作ることをおすすめします。

多くの場合、数年で多少の人の入れ替えがあり、その中でヒエラルキーにも変化が見られます。仕事内容に不満がない場合には、潮目が変わるのを待って、職場の雰囲気を変える行動を起こすことも良いでしょう。

 

聞いた額より手取りが安いというギャップ

聞いた額より手取りが安いというギャップ

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最初に提示された条件よりも手取り額が安い時には、「聞いてない!」とギャップが生じるでしょう。

そんな時は感情的にならずに、給料明細を開き、詳細を確認しましょう。

そして、提示された金額の何が不足なのか、どうして差が生じたのかを、客観的に判断した上で話し合いに持ち込むように心がけます。

 

対処法:冷静に話し合いましょう

見習い期間は手当が付かない場合や、時給計算の場合もあります。また、単に手続きの遅れなどで手当等が付いていないだけのこともあります。手渡された金額を見ただけで「聞いてない」「話と違う」と感情的になってしまうと、結果としてあなたの評価も下がってしまいかねません。

冷静に、そしてしたたかに、最初に提示された条件を守ってもらえるように話し合いましょう。

 

こんな業務まですると思わなかったというギャップ

こんな業務まですると思わなかったというギャップ

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病院からクリニックに転職したばかりの看護師がよく感じるギャップの一つに、「これって、看護師の仕事?」というものがあります。

多くのクリニックは、掃除はスタッフが担当し、受付や電話対応も看護師が担うことがあります。

依頼された業務が他の業種の独占業務でもなく、他に対応する人がいなければ、社会人として対応することが適切な対処になります。

例えば、X線撮影のセッティングは覚えれば看護助手でも行えますが、撮影は医師又は放射線技師しかできません。このように、行ってはいけない業務までも、人手がないことを理由に対応を強制された場合には、公的機関などに相談することも大切です。

 

対処法:看護業務以外したくない場合は大きな病院に勤めるべき

「看護業務以外行いたくない」という看護師であれば、やはり大きな病院に勤めるしかありません。

クリニックは人を雇えばそれだけ経費が掛かるため、収入が安定するまでは少人数でやりくりするしかないためです。

 

業務を教えてもらえないというギャップ

業務を教えてもらえないというギャップ

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「未経験者でも丁寧に教えます」と言われ、未経験の領域であったにも関わらず転職に踏み切ったものの、周囲の看護師が教えてくれないというギャップに遭遇することもあります。

現場としては即戦力が欲しいため、採用者は「看護経験は長いから」ということを現場に伝えがちです。

そのため、現場は入職者が経験者であるという誤解を持ってしまうことがあり、「少し説明すればできるだろう」と考え、細かくは教えない可能性があります。

 

対処法:教えてもらう姿勢を持って自分から聞くこと

そんな時のギャップを埋める対策は、「分からないから教えてください」の姿勢を忘れないことです。

「看護経験はあるけれど、これは初めて」と伝えて認識のずれを解消することで、細かな流れも教えてくれるようになります。

教えてもらう姿勢について

看護師の業務を教えてもらう時には、メモを取ることも大切です。

特に、年齢が高いスタッフは、「メモを取る=やる気を見せる」ことだと教えられた世代です。

教えてもらう時には、覚える姿勢を見せ、何度も同じことを聞くのではなく、分かることは自分でやって確認のために他のスタッフに聞くなどの態度が大切です。

 

残業が多すぎるというギャップ

残業が多すぎるというギャップ

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一口に残業が多すぎるといっても、内容は様々です。

自分が仕事を覚えていないだけの問題なら、仕事に慣れてくれば自然と残業は減っていきます。

また、健診や新人職員研修などがあり時期的に忙しいのであれば、その時期を乗り越えると通常の流れに戻ります。

しかし、

  • 上の人が残っているから帰れない
  • 人数に比較して仕事量が多い

などの場合には、自分だけで対応しても大きな変化は期待できないこともあります

また、残業することで手取りを増やしたい人も中には存在しています。

その場合には、「残業を減らそう!」と問題にすることで、逆にあなたの孤立感を増すことにもなりかねません。

 

対処法:残業理由を分析して上司に相談する

転職時に説明されたよりもはるかに残業時間が多い時には、実際の残業時間と残業が多い理由を分析した上で、上司に相談することをおすすめします。

残業を減らす対策をとってくれる場合もあれば、残業が少なくて済むチームや部署への異動を提案されることもあります。

ただ、残業はゼロにはなりません。

自分が問題視している残業時間が、本当に問題になる残業時間なのか、世間の常識を知ることも大切です。

また、周囲に流されて残業に付き合わない自分になることも、残業をしない対処法の一つです。

 

院長のイメージが違いすぎるギャップ

院長のイメージが違いすぎるギャップ

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クリニックで働く看護師に多いギャップですが、院長から声をかけられ転職をした後で、院長に抱いていたイメージと実際の言動や態度に大きなギャップを感じてしまうこともあります。

医師と看護師は病院勤務の従業員同士の関係から、従業員と雇用主の関係に変わると、雇用主は自分がやりたい医療を提供してくれるように看護師に依頼するようになり、お金に関する話も多くなります

そのため、病院では患者思いの良い先生に見えたとしても、従業員にはワンマンで金払いの悪い医師として、あなたの目には映るようになります。

しかし、医師は自分のやりたい医療を提供するために、借金を背負ってまで開院している事実があります。

 

対処法:従業員と雇用主の関係性を自覚すること

そんな時の対処法は、自分と院長との関係が、従業員と雇用主との関係に変化した事実を自覚することが大切です。

雇用主と従業員という関係を意識しながら、以前よりも距離を置いて付き合っていくのか、お金などの内輪の話は聞き流してしまうのか、院長に巻き込まれないで済む距離を見つけることが、大切な対処法です。

 

想像以上に医療処置が多いというギャップ

想像以上に医療処置が多いというギャップ

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介護施設などの求人には、「医療処置少なめ」という文字が書かれている場合があります。

その文言に惹かれて看護師が介護施設に転職すると、

  • 急変した時に医師がいない
  • 急な医療処置を指示されても他に相談する人がいない

というギャップに向き合うことになります。

今は、介護職の方も研修を受ければ吸引や胃瘻処置などができるようになりました。

つまり、看護師は、介護職ができない処置を担当することになります。

そして、その介護施設では「どの医療処置までできる」という触れ込みで患者を受け入れているのかを確認しないまま転職してしまうと、やったことのない処置を一人で担うことにもなります。

このギャップに陥らないためには、

  • 「医療処置少なめ」という言葉がさす医療処置とは何か
  • 医師がそばにいない中で自分が自信をもってできる医療処置は何か

以上を明確にしてから転職を考えることが必要です。

 

対処法:対応が大変な場合は上司に相談する

介護施設での看護師の医療処置が多く、やったことがない処置に対応せざるを得なくなった場合には、

  • 研修を受けさせて欲しいと要求する
  • うまくできなかった場合の対策を明確にしておく
  • 人員を一時的に手厚くしてもらう

等を上司に要求することが、ギャップへの対処法であるでしょう。

介護施設で働く看護師の体験談

実際に、人工呼吸器を装着した患者を数名受け入れた介護施設の看護師が、「夜間の吸引が多くて忙しい。何とかして欲しい」と医師に訴えた話を聞いたことがあります。

しかし、その介護施設の売りは「人工呼吸器を装着した方も受け入れます」でした。

その場合、転職前から自分で調べておくことで、夜間の見回り回数や対応の大変さを想像することができたでしょう。

 

最後に

看護師が転職後に遭遇するギャップの対処法は様々ですが、大切なことは「感情的にならないこと」と「事実を見極めること」です。

看護師は、人の命を扱う仕事であり、医療処置の一部を担うことが業務の一つに含まれます。

また、多くの看護師は、従業員でもあります。

そのことを心に留め置きつつ、自分の身を守るために賢く、そして冷静な目で、転職後のギャップを乗り越えてください。

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雇用形態 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤、夜勤専従パート、非常勤、派遣、紹介予定派遣
診療科目 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科
配属先 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡
対応エリア 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
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マイナビ看護師

サイト名 マイナビ看護師
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職種 正看護師、准看護師、助産師、保健師、ケアマネジャー
雇用形態 正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他
勤務形態 常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従
診療科目 美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科
配属先 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事
対応エリア 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
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