手術室看護師として妊娠!マタニティナースの工夫と体験談

手術室看護師として妊娠!マタニティナースの工夫と体験談


看護師

私が妊娠に気が付いたのは、5週目の時でした。(現在は私には、3歳と5歳の子どもたちがおり、どちらも妊娠中は手術室で働いていました。)

いつもより生理周期が遅れていることと、なんとなく、胸の張り感を感じたのがきっかけで、産婦人科を受診、胎嚢を確認しました。

受診時には胎嚢の心拍がまだみられなかったので、その間は職場に報告をせずにいました。

翌週、心拍が確認できた時点で、職場の上司に報告しました。

私が勤務していた病院は、OP看護師の人数は30人前後、年間手術件数は3000例を超える規模の病院で手術室は9部屋ありました。

妊娠は、女性にとって大きなライフイベントのひとつです。

妊娠期間は数カ月も続き、妊娠中に起こる症状も、個人差やそのときどきによって異なります。

申し訳ない気持ちもありますが、その間はさまざまな症状に苦しみ、どうしても周囲の協力が得られなければ、妊娠しながら働くのは難しいことを実感しました。

私が、手術室勤務でマタニティナースとなった時の工夫、体験談をご紹介したいと思います。

現在妊娠していて、手術室勤務している看護師の方、OP看護師で、これから妊娠・出産を控えている看護師の方の参考になれば幸いです。

また、妊娠が発覚して悩んでいる場合は「妊娠が発覚したら!看護師の働き方や体験談」も確認しておきましょう。

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1.妊娠初期中に行った私の工夫・体験談

妊娠初期中に行った私の工夫・体験談

妊娠初期はおなかが目立つわけでもないため、所属している部署のスタッフ以外は妊娠していることに気が付かない場合がほとんどです。

そのため、他部署のスタッフ(医師を含む)にはいつもと変わらない、業務に対する姿勢を求められます

妊娠初期は、一般的に妊娠15週(妊娠1~4カ月)までのことを指します。この時期はまだ安定期ではないため、身体に無理のかかる業務や、ストレスはできるだけ避けるようにとされています。妊娠初期の自覚症状としてよく聞かれるのは、「つはり(つわり)」や「眠気」です。実際にはかなり個人差があり、その症状の強さや種類も妊婦によりさまざまです。

以下で私が行った、つはり(つわり)・眠気に対する工夫をご紹介します。

 

(1)つはり(つわり)の工夫

いつもより、とにかく臭いに敏感になる時期です。

医師の吐息や患者さんの口臭に対して積極的に消臭ケアができるわけではないので、自分自身がいかに不快な臭いを嗅がないよう、工夫することがポイントだと感じました。

私がとった対策は、マスク内に厚めにガーゼをあてて、臭いをシャットアウトすることが効果的でした。

マスク内に厚めにガーゼをあてて、においをシャットアウトする

不快な臭いを嗅がないために、つはり(つわり)症状を催さない臭いを探し、中のガーゼに塗布しました(私の場合は、ヴァーベナの香りが好ましかったので、練り香水を持ち歩き、ガーゼに塗布し、臭いを嗅いで過ごしていました)。

また、休憩中も油断はできません。

ほかのスタッフが食べている食事の臭いで、つはり(つわり)を催します。

症状がピークの時は、休憩室で休むこともつらく、所属長に報告し、院内の会議室で休めるように配慮してもらいました。

看護師の体験談

妊娠6週目あたりから、つはり(つわり)症状が出現しました。

手術室では、電気メスで人の体組織が焦げる臭い、絶飲食で入室してくる患者さんの呼吸、手術介助の際に感じる医師の吐息に対して不快感が強く、業務中に何度もトイレに駆け込んだのを覚えています。

 

(2)眠気に対する工夫

妊娠初期の眠気は、寝ても何なぜだか解決しない、ホルモン(黄体ホルモン)バランスのためだと一般的には言われています。

看護師の器械出し業務はとても集中力が必要です。

器械出しはできるだけ午前中につけてもらい、午後は外回りになるように配慮してもらいました。

また、妊娠中のカフェイン摂取量は1日200㎎以下に制限(厚生労働省参照)するように求められています。

ここぞというときにコーヒーを飲むことで、いくらか眠気を抑えられたと思います。

看護師の体験談

普段なら器械出しをしている時には、かなり集中しているので、眠気を催すこともありませんでした。

しかしこの時期は、とてつもなく眠かったのです。つはり(つわり)も相まって食事もあまりとれなかったので、休憩時間もほとんど横になって過ごしていました。

 

2.妊娠中期に行った私の工夫・体験談

妊娠中期に行った私の工夫・体験談

妊娠中期は、比較的安定期とも言われています。

しかし、手術室で働く場合、自身が清潔操作していると、「座ること=不潔」になるので、ちょっとした休憩も取れません。

一般病棟や外来のように、業務中に自分の姿勢を変えられる環境ならば対処できたかもしれないのですが、手術室ではそうもいってられないことが実情でした。

妊娠中期は、妊娠16週~27週(妊娠5~7カ月)までのことを一般的に指します。妊娠中期からは安定期とも言われ、初期にあったさまざまな不快症状が和らぎ、比較的穏やかに妊娠経過を過ごせる人が増えてくる傾向があります。

つはり(つわり)が落ち着き、食欲も増してくるので、妊娠初期とは違った過ごし方を考える必要があります。

 

(1)食べづわり

私は空腹になると吐き気を催すので、私の工夫として常にガムをかんだり、アメをなめたりして過ごしていました。

また、器械出しの時には、外回りの看護師に、口の中にアメを入れてもらうよう、お願いをしていました

外回りの看護師に、口の中にアメを入れてもらう

このころには、医師たちにも私の妊娠が周知されていたので、この対処法が受け入れられていた環境に感謝したことを今でもよく覚えています。

看護師の体験談

私は妊娠初期にはかなりつはり(つわり)がひどかったのですが、妊娠20週ごろになるとつはり(つわり)が落ち着いてきて、逆に空腹になると吐き気を催す、「食べづわり」症状が出てきました。

元気に食べられるようになったのはうれしい限りでしたが、おなかがすくと気持ち悪くなるのがつらい症状でした。とくに、長時間手術の器械出しにつくときは、途中で水も飲めないので、とてもつらかったのを覚えています。

 

(2)貧血・たちくらみ

私は血液検査でもHbが8.0台まで低下していたので、たちくらみが出てもおかしくはない状況でした。

妊婦検診でも指摘を受けていましたが、鉄材を飲むと胃のむかつきが激しく、具合が悪くなるので、工夫として食生活を見直しました

主に毎日の食事で鉄分を摂取するように心がけ、足りない場合はサプリメント、飲料から鉄分を摂取していました。

また、業務調整もお願いしました。

実際に何度かたちくらみが出現し、器械出しを変わってもらうことも多く、立っている時間が長い手術になると、たちくらみが出る可能性が高かったため、短時間の手術を多く担当する、外回り業務にしてもらうなど、上司に業務調整をお願いしていました。

看護師の体験談

私は循環血液量の増加にともない、貧血症状が出現しました。

2時間以上立ちっぱなしで、手術の進捗に動きがない場合などは、よくたちくらみが出て、器械出しの続行が難しくなることもありました。自分が倒れて自分自身が不潔になるだけならよいのですが、使用器械を不潔にしたり、インプラント類を不潔にしたりするわけにはいかないので、「倒れるかも……。」と感じた時点で交代をお願いするようにしていました。

 

3.妊娠後期に行った私の工夫・体験談

妊娠後期に行った私の工夫・体験談

妊娠後期になると、いよいよおなかもしっかりと前に突き出してきます。

私は大きなおなかを抱えながら、立ち続けていることで、腰痛が出てくることや、食べづわりは収まりましたが、今度は胸やけがひどくなりました。

妊娠後期が、様々なトラブルに一番見舞われました

妊娠後期は妊娠28週~40週(妊娠8~10カ月)までのことを一般的に指します。おなかはますます大きくなり、看護業務をおこなうのも大きな負荷がかかる状態です。

また、産休(出産予定日の42日前から取得できる)までのラストスパートに時期でもあります。

妊娠後期では、手術室で働く業務も制限がかかるようになってきます。

おなかが目立つようになるので、一番周囲の配慮が得られやすい時期でもありますが、自分のその日の体調や、体のコンディションを考えながら周囲に協力を依頼して業務を進行するように私は心がけました。

手術室看護では、おなかがせり出すことで、手術野の清潔環境が保ちにくくなります。

この時期からはいよいよ器械出しを降り、外回り業務専門となりました。

 

(1)腰痛

前にせり出したおなかに干渉しなくても腰部を支えられる「トコちゃんベルト」を毎日使用していました。

トコちゃんベルト

(出典:トコちゃんドットコム様より)

腰部にかかる負担が軽減され、腰痛、股関節痛、骨盤痛もいくらかやわらぎ、移動もスムーズにできました。

看護師の体験談

私は大きなおなかを支えるために、常に腰痛がある状態でした。

腰痛だけではなく、股関節や骨盤に痛みを感じることもありました。そのため「トコちゃんベルト」は欠かせないアイテムでした。

 

(2)胸やけ

私はなぜか、お蕎麦ならなぜか食べられたので、この時期はお蕎麦ばかりを食べていました。

お蕎麦ばかりを食べていました

そのため人により様々ですが、食べられるものを探す、見つけることが一番の胸やけ対策だと感じます。

お蕎麦は、腹持ちもよく、胸やけもしないので私にはあっていたように思います。

看護師の体験談

おなかが大きくなったために、食事の1回摂取量が制限されました。摂取量が多くなる、脂っこいものを食べると胸やけが生じ、なかなか改善しないのがつらかったです。

 

(3)尿漏れ

子宮増大にともなう症状なので、出産まではしょうがないと割り切って尿漏れパットを使用していました。

妊娠週数にともない尿漏れする量が増えていくので、大量購入せずにその時に適した量を

対策として、恥ずかしがらず尿漏れパットを購入することをおすすめします。

看護師の体験談

お恥ずかしい話ですが、増大した子宮に膀胱が押されるせいでしょうか。ちょっとしたアクションで、尿漏れが見られました。

 

4.妊娠全期間を通して周囲の配慮事例

妊娠全期間を通して周囲の配慮事例

私の経験ですが、周囲に配慮してもらったこと、配慮してもらえなかったことを実例でご紹介いたします。

以下の内容を参考にしながら、上司などに相談してみてください。

 

(1)周囲に配慮してもらったことの実例

妊娠全期間を通して、手術に関係ないところでも、配慮してもらいました。

私の場合は、周囲のサポートが手厚く、患者さんの移動や、重い機械の搬送、高いところに保管されている器具の上げ下ろしなど、自ら依頼しなくても助けてもらえました。

また、手術室では、劇薬や毒薬の取り扱いや、レントゲン透視下で手術が行われることもあります。

私の場合、セボフルランを使用する手術や、イメージ下の手術は、胎児への影響を懸念して、妊娠が判明したときから担当にならないか、使用中は別のスタッフに代わってもらうよう所属長が配慮してくれました。

(※これらの業務は、明確に胎児への影響を証明するエビデンスはありませんが、万が一を考えての配慮でした)

 

(2)周囲に配慮してもらえなかった実例

私の場合は、長子・次子の時も、かなり周期が協力的で、配慮してもらえなかったと感じることはあまりありませんでした。

思い起こせば、妊娠初期のつはり(つわり)がひどい時期に消化器の手術はつらかったな(臭いがキツイ)という程度でしょうか。

本当にちょっとした体位交換も他スタッフのフォローがあり、医師たちが非常に協力的だったので、マタニティナースとして働く環境は非常に恵まれていたとおもいます。

また、妊娠後期に大掃除の時期がありました。大掃除では、各台車や、機械の足についている滑車を清掃するのですが、妊娠後期の大きなおなかで、かがみながら作業するのは大変でした。ですが、「これくらいしっかりやらないと……。」という思いから、ひたすら清掃業務に励んでいました。

それでも、手術室のほかの一般業務よりは楽だったとおもいます。

 

5.最後に

最後に

手術室での看護師業務は、特殊性が高く、妊娠期間中に表れる症状に対し、対処法を知る機会も少ないと思います。

私の個人的な体験談ではありますが、現在妊娠している方が悩んでいる対処法の一つとして、これから妊娠を考えていて、周囲へ必要な協力を依頼する場合に、実現が可能かどうかを検討する場合の参考になれば幸いです。

ただ、経験者の私から1つだけ言えることは、周囲の協力が必要不可欠であり、理解があるかどうか見極めることも赤ちゃんを守るために大切な母親の仕事だと感じます。

一人で悩まずに、是非周囲に協力を求めましょう。

また、これから妊活を考えているOP看護師の方。

何度も言いますが、妊娠中は周囲の協力がなくては、仕事が成り立ちません。

普段から同僚スタッフとコミュニケーションを取り、信頼関係を構築し、安心して妊娠期間を過ごせるように環境を整えていきたいですね。

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