会話が苦手・・・患者さんとのコミュニケーションの取り方

   

コミュニケーションは看護師の仕事道具といっても過言ではないほど大切なものですが、患者とのコミュニケーションが苦手という看護師が多いのも事実です。

看護師にとってコミュニケーションは非常に重要なものであり、患者とのコミュニケーションは経験するほど上達します。

今回は、会話が苦手な看護師や会話が苦手な患者と話すときの対処法とポイントを、私の経験を元にご紹介していきます。

患者への会話に苦手意識を持っている場合

初めに、看護師として患者とのコミュニケーションが苦手な場合の実践的な対処方法をお伝えしていきます。

マスクをしていても目で笑う

マスクをしていても目で笑う

マスクをしていると一生懸命笑顔を見せていても患者には表情が伝わりにくいです。

しかし、感染症の問題で現在マスクを外すことは難しいと言えます。そのため、マスクをしていても目で笑うことを心がけましょう

まずは、患者が親しみやすく感じられるように笑顔を伝えるように意識してみましょう。

患者の持ち物から話題を得る

患者の持ち物から話題を得る

看護師として患者への会話は、最初の切り出しも重要です。

そのため、患者の身なりや持ち物をよく観察し話題になりそうなものを見つけましょう。

例えば、孫との写真を飾っている患者がいれば、「お孫さんですか?おいくつですか?」と話題を振ることができます。その他にも、自分自身と共通の趣味や興味があることを見つけられると話を進めやすいです。

患者の話を聴く

患者の話を聴く

会話の時には患者の話を聴くことを意識しましょう。看護師としてのコミュニケーションは一方的では意味がありません

  • 「ただ聴くだけでなく、どういう話をしているのだろうか」
  • 「どのような気持ちなのだろうか」

と患者が全身で伝えてくる表現を看護師として受け取ることが大切です。

しっかりと患者の話を聴いていると、そこに看護のヒントになることや会話を広げるヒントが見えてきます。

オウム返しをする

オウム返しをする

話を聴くときには、患者の話した言葉や雰囲気を真似てそのまま返します。

例えば、患者が「この先、生きていてもいいことないな」と話し話しはじめたら「この先、生きていてもいいことない?」と返します。

すると患者は、自分の言葉でその理由を話しはじめます

もしも「そんなことないですよ」、「何でそのようなことを思うんですか?」と返してしまうと、そこで話が終わってしまうため、オウム返しをします。

患者の使った言葉をオウム返ししていくことによって、患者が話したかったことと看護師の受け取り方が同じになるようにすり合わせていくことができます。その結果、患者は理解してもらえたことがわかり、それ以降もコミュニケーションがとれるよい信頼関係が築かれていきます。

患者のニーズを知る

患者のニーズを知る

看護師として話をするときには、

  • 患者が何を求めているのか
  • どのような話を期待しているのか

など、患者のニーズを読み取るようにしましょう。

看護師がコミュニケーションをとる目的のひとつとして、患者が何かを伝えたいと思っている、何かに気づいて欲しいと思っている場合があります。

そのニーズに気づくことができれば、患者の言葉を引き出すように会話を進めていきやすくなります。

例えば、患者がさりげなくおなかをさすっているところを目にしたら、「おなかの調子悪いですか?」と切り出してみましょう。

「いやいや、今日はお腹いっぱいなのですよ」と何気ない返答があることや、「実は最近お腹が張って・・・」や「手術が不安でね・・・」と看護の必要性が見えてくることもあります。

患者の話すテンポにあわせる

患者の話すテンポにあわせる

看護師として話やすい状況をつくるためには、患者の話すテンポにあわせるとよいでしょう。

例えば、

  • ゆっくりと話す患者に対して早口で対応する
  • 暗い話し方の患者に対して明るい口調で軽快に対応する

など、このような対応をしてしまうと、患者としては自分と看護師の間に温度差を感じて話しづらくなってしまいます。

相手の話すテンポにあわせて話すことで、患者は話しやすく看護師に対して伝えたいことを切り出すきっかけができるのです。

声のトーンと抑揚をつける

声のトーンと抑揚をつける

患者の話をしっかり聴いていることを表現するためには、声にトーンや抑揚をつけることを意識してみましょう。

変化のない単調な話し方だと、

  • 患者は自分の話に興味をもってくれていない
  • 自分に関心がない
  • 話しても無駄かもしれない

と感じてしまいます。

そのため、「うん」、「そうなんですね」といった返事にも患者の話に合わせたトーンと抑揚をつけてみましょう。

話す位置を考える

話す位置を考える

看護師として話をするときには、その内容によって患者と自分自身の位置変えるようにしましょう。

一番話しやすい位置は、患者に対して90度の位置です。

そして、必ず患者の目線の高さに自分の目線の高さを合わせます。

また可能であれば、患者にも座ってもらって話しをするとより話しやすい位置関係ができます。

横になっている患者に対して、立ったまま会話をしていると、いかにも忙しくてすぐに退室したい雰囲気に見えますし、威圧感もあります。また、正面で向かい合って話すと面接のような堅苦しさも出てしまいます。

患者に会話をする余裕がない場合

患者に会話をする余裕がない場合

コミュニケーションをとりたくても、看護師、患者のどちらも余裕がないことはあります。

そのような場合は、患者に話ができる時間を予め伝えて心の準備ができるようにしておきましょう。何か聞きたいこと、話したいことがあっても時間や気持ち、身体に余裕がなければなりません。

だからこそ、お互いに準備ができるよう時間を伝えておくことが大切なのです。

患者へ声をかけてもらうように伝える

患者側に余裕がない場合は、余裕ができたとき、話したいことがあるときに声をかけてもらうように伝えます。

しかし、声をかけるといっても看護師が慌しくしていて声をかけられないことや、ナースコールで呼びづらいこともあります。

そのため、遠慮せずに声をかけても良いことを伝えるのはもちろん、適度に患者の元に行き

  • 「何かお手伝いできることはありますか?」
  • 「気になることはありますか?」

と看護師からきっかけをつくるよう意識しましょう。

話したいことをメモしておいてもらう

患者は話したいことがあってもすぐに話せないと、その内容を忘れてしまうこともあります。

その場合は、患者に思いついたときにメモしておいてもらうことや、看護師も同じようにメモをしておくようにしましょう。

メモをすることで、患者も自分の口から聞きづらいことが聴けるというメリットがあります。必ず言葉で交わさなければいけないわけではないので、メモを使ったコミュニケーションも試してみましょう。

患者が会話をしたくない場合

患者が会話をしたくない場合

「コミュニケーション=会話ではありません。」

会話をしない沈黙の部分にもコミュニケーションはあります。

そのため、沈黙にならないようにひたすら話を続けようとせず、沈黙の時間にできるコミュニケーションを大切にしましょう。

例えば、患者の表情やしぐさをよく見てみます。

すると、話したいことが何もない沈黙なのか、沈黙の中にどう言葉にしたらいいのかわからない感情があるのか、遠慮や我慢をしていないかが見えてきます。

もしも看護師と話すことが煩わしいときの沈黙であれば、患者の方から疎ましそうな言動が見られるでしょう。

しかし、何か溜め込んでいることがあれば、沈黙は患者なりにどう言葉にするか考えるために必要な時間です。そして患者は言葉にできるタイミングを待ってくれる看護師に信頼感を抱き、今までよりも話しやすく感じてもらえるでしょう。

退室時にひと言添える

患者との沈黙が長く続くときには、ひと言添えてから退室するようにしましょう。

沈黙が続いてしまったときには退室時に「いつでもお話聞きますから、遠慮せずに声かけてくださいね」や前述したように次に患者のところに行ける時間を伝え、「また顔出しますね。そのときに何かあればお話しましょう」と患者に話を聞く準備ができていることを伝えるよう意識しましょう。

患者が沈黙を続ける間、そこにいられればよいのですが他にもやらなければならないことがあると、看護師も気持ちが焦ってしまいます。

しかし、患者が話さないからといってその場を離れてしまうと、患者は話したいことがあるのに話せない状態が続いてしまいます。また忙しそうにする看護師に遠慮してしまい余計に話しづらくなってしまいます。

言葉以外のコミュニケーションをする

お伝えしてきたように、コミュニケーションは言葉を交すだけではありません。会話が続かない、沈黙が多くなる患者の場合は言葉以外のコミュニケーションをしてみましょう。

例えば、手や背中、痛みのある場所をさするタッチング、患者のしぐさや表情を真似する、患者の目を見て話を聞きますよというような表情で頷くなどです。

タッチングは、患者に安心感や落ち着きを与えることや、不思議と痛みを和らげるような効果があります。

そして患者のしぐさや表情を真似る行為は、親近感を与えると言われています。このようなコミュニケーションを通して、患者の言葉にならない心の声を聞いてみましょう。

コミュニケーションを上達させる方法

看護師がコミュニケーションスキルを上達させる方法

最後に看護師として患者へのコミュニケーションスキルを上達させる方法について3つ説明していきます。

目的を持って話をする

看護師として話をするときには、ある程度目的を持って話をしましょう。

ただの雑談であればいいのですが、患者から聞きたいことがある、信頼関係を築きたいなど目的があるのであれば、話がいろんな方向に向いてしまわないようコミュニケーションの目的を明確にしておきましょう。

それにより、話が逸れても話の流れを修正し目的を聞く内容に戻すことができます。

また、コミュニケーションを通して患者にどうなって欲しいのか、どのような結果を期待しているのかを常に考えながらコミュニケーションをとるようにしましょう。

聴く練習をする

コミュニケーションは話すよりも聴くことが大切で、ただ聴くのではなくどう聴くのかが大切です。

そのため、色々な場面で人の話を聴く練習をしましょう。

聴く練習はとにかく多くの人と会話をすることで、話を聴く相手は患者に限らず、家族や友人でも良いです。

話を聴くときには、その都度相手が何を思って話しているのか、そのときの感情はどうなのか、自分自身にどのような返答を期待しているのかを考えながら聴くようにします。

話を膨らませるネタを持っておく

何か目的を持って話をするとき、単刀直入に聴きたいことだけ聴く、話したいことだけ話すことができればいいのですが、なかなかそうはいきません。

そのため、何かの話題から信頼関係を築き、話を広げていけるネタを持っておくようにしましょう。

例えば、ニュースの話題や最近流行っているもの、おいしかった料理店、自分自身の趣味の話などが話のネタになります。話していて楽しい、落ち着く、自分のことを理解して話してくれる、共感できるという印象を与えられれば、これからのコミュニケーションはスムーズにいくでしょう。

最後に

患者にとっては、病気やケガに対して不安を抱えていて、とても看護師と会話をする気分になれないこともありますし、話をするのが嫌いという患者もいます。

そんな時には、特に会話が弾まなくてもそばに看護師がいるだけで患者にとっては気持ちが安心できることが多いといいます。

話をすることだけが看護師の役割ではなく、患者さんが安心して治療に取り組める雰囲気や環境づくりをすることも看護師の役割と言えるでしょう。

心地良いと感じる看護師との距離は患者によって人それぞれなので、様子を見ながら患者さんに合ったコミュニケーションを取っていきましょう。

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